こんにちは。
カラオケボーカルトレーナーのYUKINOです。
平成も今日で最後ですね。
さて今回は、演歌を上手く歌うためのテクニックについてお伝えしていこうと思います。
演歌・・・私自身はあまり歌いませんが、私の父親が演歌歌手であり、今も歌っています。昔から家では、三味線が鳴り響いていました。
周りには秘密にしていました。なぜって?
ある有名演歌歌手と名字が同じだったので、その娘だと言われたくなかったからです(笑)
※私の父は、CDやカラオケにも曲は入っていますが、メジャーな歌手ではないのでテレビ出演はほとんどなく、主に地方で歌ったりしています。
そんな父の歌声をいつも聴いて育った私ですが、演歌はあまり詳しくはありませんでした。ですが、歌を教える仕事を始めてから、年配の生徒さんは演歌を歌う方が多く、歌を聞いていくうちに演歌も教えられるようになりました。
まずは、私なりに感じた演歌の歌い方について書いていきます。
演歌の特徴と歌い方
演歌というと、着物を着た演歌歌手が熱く歌っているイメージが浮かびます。
演歌って難しそう!って思いますよね。
そもそも、演歌とはどんな特徴があるのか?ポップス(歌謡曲)と比べて何が違うのか考えてみました。
演歌とポップスの違い
1 演歌はポップスと比べて、比較的リズムがゆったりしている
演歌というとカラオケでも人気な名曲、王道でもある石川さゆりさんの天城越えです。
最近のポップスは曲が速いと前の記事で書きましたが、
演歌は比べるとゆったりしていてテンポがスローです。
2 歌詞の内容が情緒あふれている
演歌の歌詞を見ていると、人の心を深く歌っているものが多いなと思います。まさに、歌は心ですよね。また、情景を描写していたり、比喩を使う歌が多いです。
例えば、天城越えなら、
舞い上がり 揺れ落ちる 肩の向こうに あなた 山が燃える
この一文だけで、どんな情景か想像ができますよね。
このように、演歌は情景を歌詞にしていたり、心を何かに例えて表現しているなど、まるで文学のようにストーリーがあります。
3 演歌特有のこぶしや、ヴィブラートなどテクニックが満載
演歌は心を歌う熱い曲が多いですが、普通に歌うとサラッとしすぎてつまらないのが演歌です。
つまり、演歌の最大の特徴は、こぶしです。
このこぶしを使うことで、一気に言葉に味がついて美味しい歌になるのです。
そして、ヴィブラートもポイントです。演歌は語尾を長く伸ばす曲が多いです。
あまぎぃ~~ごぉぉぉ~~えぇ~~~~
というように、最後は伸びます。
こぶしは、料理で言うならスパイスのようなものでしょう。
怒りや悲しみ、喜びなど感情を声に出すときに、こぶしを取り入れることで声に厚みを付けて声に表情がつくのです。
4 抑揚がはっきりしている
演歌は、抑揚もはっきりしていて、天城越えも最初のAメロはささやくように静かに歌っていますが、Bメロの舞い上がり~からサビに入るまでにつれ、徐々に声色が変わり、声のボリュームも大きくなっていきます。
まるで、波のように、ゆらゆら大きい波と小さい波と声を操っているかのように、心地よい抑揚です。
これも、抑揚なく歌ってしまうと、とても平坦な歌となってしまいます。
演歌を歌う際は、ポップス以上に抑揚を意識して歌うのが鉄則です。
5 歌詞が短く、3番がある曲が多い
大体、ポップスの曲は1番、2番、サビ繰り返しで終わるパターンがほとんどですが、演歌は歌詞自体が少なく、構成もAメロ→Bメロ→Cメロ(サビ) はポップスと同じですが歌詞がとても短いです。
そのため、3番もあります。最近の曲は歌詞が多く、速く、長い!という印象が強いのですが、演歌はその真逆です。
全体的にゆっくりで歌詞も多くはないので、歌いやすさはありますが、こぶしのなどのテクニックが使えるとグッと演歌らしくなるのです。
では、演歌を上手く歌うためのテクニックとはどんなものなのでしょうか?
現役歌手である父に聞いてみました。その上で私自身、演歌を教えてきた経験も含めてまとめてみました。
演歌が上手くなる歌い方とは?
演歌といえば、こぶしです。
そのこぶしですが、どのように練習すればいいのか?気になりますよね。
そもそもこぶしとは何なの?と思いますよね。
こぶしとは、声を転がすことです。
声を転がすとは、例えば、天城越えでいうと
ラストの部分の あまぎぃ~ごぉぉぉ えぇ~
の ごぉぉぉ の部分です。
普通に歌えば、あまぎーごぉえー
という風に、印象はのっぺりした感じになります。
そこを、ご から え につなげるまでに、ゴの母音であるオで声を転がすように、落とすのです。
洋楽のR&Bでいうなら、フェイクなどメリスマと呼ばれているテクニックです。
声をころころと揺らしながら、音を上げたり下げたりするテクニックのことです。
ポイントは、母音です。ご なら、母音はオですね。
オを、揺らしながら音を下げていき、え につなげるのです。
ただ、このこぶしを練習するには条件があります。
1 声をしっかり伸ばすことができること
これは、ヴィブラートも同様ですが、まずは声がちゃんと伸ばすことができないと、こぶしを出すことが難しいのです。なぜなら、こぶしやヴィブラートは声を揺らすので安定して声が出せないと、揺らすことそのものが困難になるからです。
この揺らすというのは、苦しくて声が揺れているのではなく、あくまでも意図的に揺らしているのです。
2 音をしっかりとることができる
こぶしは、例えば天城越えなら、ゴという一文字を揺らしていますが、そのごぉぉぉっていう音はとても複雑で、しかも速いので音を聞き取ることが難しいのです。
さらに、譜面にはその音までは細かく載っていないので (特にR&Bの場合は歌手が音を遊ぶように自由に歌っているため) 音を自分の耳で聞き取ることが必要です。
以上のことをクリアしていれば、こぶしを練習してみましょう。
クリアしていない人は、まずは声を安定させることと音をしっかりとれることを練習しましょう。
こぶしは、あくまでも味をつける調味料みたいなものなので、基礎ができていないと茹で上がっていない麺に味付けをしているようなものです。
それって不味いですよね。というか食べられないですよね(笑)
では、本題のこぶしの練習はどのようにするのか?
こぶしは母音を揺らすことなので、例えば、天城越えなら
ごぉぉぉ
の部分を音を確認して、歌うのです。
とはいえ、原曲はとても速いので、カラオケならテンポを落として、歌うと音を取りやすくなります。
母音を揺らしながら音を上げたり下げたりするトレーニング
これも、おすすめです。
例えば、いぇ~い を
ソ ファ ミ レ ド に合わせて声をつなげて出してみます。
いぇ~ぇ~ぇ~ぇ~い のように出すのです。
(ソ~ファ~ミ~レ~ド)
最初はゆっくり出して、慣れてきたら、テンポを速くしていきます。
福山雅治さんの桜坂で、woo(ウ~)~いぇ~~い
という部分のように音を揺らしながら、下げることができるとこのようなフェイクも歌えます。
こぶしのポイントは声を滑らかにつなげることです。
慣れないうちは、声が途切れてしまったり不自然になります。
だからこそ、安定した発声ができることが条件なんです。
演歌を上手く歌うには
①抑揚をしっかりつけること
②こぶしを使うことで味をつけること
③ゆったり大きなヴィブラート
このようなテクニックをつけて
あとは、歌詞の世界に入り、心を歌えれば完璧です!!
こぶしを身につけて、日本人のこころを歌う演歌を楽しみましょう!!
Soulfulカラオケ教室では演歌のレッスンも可能です。
体験レッスンは
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