こんにちは。
カラオケボーカルトレーナーのYUKINOです。
最近は、暖かい日や寒い日があったり、極端ですね。こんなときは、体調を崩しやすいので、気を付けたいものです。
さて、今回は歌い方テクニックシリーズ第五弾、ロングトーンについてお伝えしていこうと思います。
ロングトーンと言えば、バラード曲に多く使われるテクニックの一つです。
このロングトーンが使えることで、一気にバラード曲がいい感じになること間違いなしです。
ロングトーンとは?
ロングトーンは、歌の中で声を伸ばすことを指します。
前回のヴィブラートや前々回の語尾の処理でもお伝えしましたが、ロングトーンは言葉を伸ばすので、主に語尾で使うことがほとんどです。
例えば、ゆずの栄光の架橋で、ラストの部分が
「栄光の架橋へと~~~~」
と長めに伸ばして終わります。
このロングトーンは、歌の曲終わりで使われているパターンですね。
曲終わりなので、大サビ(最後のサビのこと)で、盛り上がった状態のまま、最後の「と」の言葉で伸ばしています。
ロングトーンが与える印象は色々ありますが、この曲の場合は、どこか広い草原で歌っているかのような迫力があり、壮大な感じがしませんか?
最後の言葉で、強く語尾を伸ばすことで、このような強く逞しい印象になります。
同じロングトーンでも、語尾を揺らしながら(ヴィブラート)、消えていくようにフェイドアウトしていく伸ばし方もあります。
「あかい スイートピー~~~~」
スイートピーで、最初まっすぐ伸ばしてから、徐々にヴィブラートがかかりながら声が消えていくように終わっていきます。
どうですか?
ゆずの栄光の架橋は、強くまっすぐ伸ばして言い切るような形で、壮大な印象でしたが、こちらの曲ではしっとりと儚く、切ないような印象がありませんか?
同じロングトーンでも、どういう風に伸ばすかにより印象がかなり変わってきます。
またこのロングトーンは、語尾の処理の仕方でも重複する内容となっています。
それぐらい、語尾にロングトーンはよく使われるからです。
では、もう一つロングトーンのパターンをお伝えしていきます。
先ほどは、歌の曲終わりのロングトーンでしたが、サビ前の語尾のロングトーンについて見ていきましょう。
歌は、大体の曲が、AメローBメローサビ で構成されていますが、このサビ前が実はとても重要な部分なのです!!
多くの曲は、サビから音も高くなり、伸ばす部分も増えたり、まるでジェットコースターのように音の上がり下がりがあったりします。
なので、サビが一番盛り上がるのですが、AメロBメロをあまりにも小さく歌っていたとして、いきなりサビから大きく盛り上げられませんよね?
そこで、必要なことが、サビ前のBメロ部分から、声が徐々に大きくなりサビに向けて気持ちも声も盛り上がっていくのです。
これは、バラードに限らずどの曲も共通しています。
では、本題です。
サビ前のBメロの最後の一行は、サビが跳び箱に例えると、踏み台に当たるのです。
跳び箱って、小学生のころ飛んだことがあると思いますが、段が高くなるほど、助走しないと高さを飛べませんよね?
つまり、サビ前のフレーズでは、跳び箱 (サビ) に向かって、走る (声に勢いをつける) ということなのです。
これが、抑揚にもつながるわけですが、抑揚についてはまた別の時にお伝えしていこうと思います。
ということで、サビ前に盛り上がり、その勢いのまま、サビへと入るのですが、ロングトーンはそのサビ前の語尾に使われることが多いです。
例えば、高橋真梨子の for you で見ていくと、サビ前で、
「離さない 失くさない きっと~~~~」
きっと で、声のボリュームを上げて、語尾に向けて力強く伸ばしています。
語尾に向けて徐々に強く伸ばすことで、サビに向けて迫っていき気持ちが高ぶっていくような感じがしませんか?
このようにロングトーンはいろんなところで使われるテクニックなのです。
あとは、サビの中でも語尾をロングトーンで伸ばす曲も多いです。言葉の途中で伸ばすロングトーンもあったりしますが、大体は言葉終わりで伸びますね。
では、このロングトーンを上手く使えるようにする練習方法をお伝えします。
ロングトーンの練習方法
まず、ロングトーンは声を長く伸ばすことなので、声が長く伸ばせることが必要です。
つまり、声を伸ばすだけの息も必要であり、声を長く伸ばしていられる力も必要なのです。
声をなかなか長く安定して伸ばすことができないという人は、息を長く伸ばす練習をしてみてください。
息を一定の強さで、長く伸ばすことができれば、声も長く伸ばすことができるようになります。
息を長く吐いているときは、お腹の深層筋(インナーマッスル)が鍛えられています。
お腹で支えてなど、ボイストレーニングではよく聞く言葉ですが、具体的に言えば、息を吐き続けているときのお腹の踏ん張りなのです。
この踏ん張りができなければ、息を吐くことが続けられずに終わってしまいます。つまり、声が長く伸びず、ぷつっと切れてしまいます。
なので、ロングトーンを練習する際は、まずは息を長く吐けるようにトレーニングしてみましょう。
息を吐く量を一定にすることも重要です。
意外と息をまっすぐ吐くことは、疲れるものです。
中には、10秒もたない人もいます。
息を吐くときは、スー と音を立てながら細く吐いていきましょう。
息が安定して吐けるようになったら、声に出して一定に伸ばしてみましょう。
サビ前や、サビの中のロングトーンは、音が高いことも多いので、高めの音でも長く伸ばせるようにしましょう。
音が高いと、それだけエネルギーを使いますが、伸ばすということは更にエネルギーを使うので、パワーのある声が必要になります。
ロングトーンは、いろんな曲に使われている最もオーソドックスなテクニックの一つなので、練習して自分のものにできると良いですね。
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