お久しぶりの投稿となってしまいました。
どうも。カラオケボーカルトレーナーのYUKINOです。
前回、ミックスボイスとの出会いについて書きましたが
www.karaoke-soulfulvoice.com
今回はそもそもの私の声の悩みから現在に至るまでのことをエッセイ風に書いてみました。ただの私の独り言だと思ってください。
コンプレックスだった自分の声
ずっとコンプレックスだった。自分の声。
低い声がずっと気になっていた。
学生時代の音楽ではずっとアルトパート。
ハモリは好きだったからソプラノよりは楽しかったが、高い声ってやっぱり目立つしカッコいい。
学生時代、私はテニス部だった。
体育会系の厳しい部活だった。たとえば、すごく遠く離れていても、先輩を見つけたらバカでかい声で挨拶をしないと後で大変なことになるくらい。
部活中は常に高い声で、ファイト~などの掛け声を四六時中出し続ける。
声が低い私は妙に目立った。
どうしたら皆のような高い声が出るんだろう。
不思議だった。
好きなアイドルを見てキャーキャー言う甲高い黄色い声。
あれもどうしたらあんな高い声が出るのだろう。
不思議だった。
だけど、そんな私でもあるとき、とんでもない高い声を出すことができた。
それは、遊園地でジェットコースターに乗ったときのこと。
あまりに高いところから落ちたので、とっさに出てしまった声が思いのほか高かった。
こんな高い声出るんだ私!?とびっくりしたのを覚えている。
人間、産まれたとき、誰もが産声をあげる。
その声は誰もが高いはずだ。
声の高さは声帯の長さで決まっている。
小さい(背が低い)人は声帯が短く、声が高い。
大きい人は声帯が長く、声が低い。
つまり、子供は声が高い。
一般的に女性より男性の方が、声帯が長く、声が低い。
さかなクンのように高い声の男性もいるが、きっと声帯が短いのだろう。
私は、背が高い方だ。だから低いのかもしれないけど、歌うときは、やっぱり高い声が出したかった。
高い声が出せなかった私は裏声(ファルセット)を駆使していた。
しかし、それでは、全く声量が出ず、ただただ苦しかった。
私の裏声は、息漏れの多い声だったからだ。
私は、地声の存在を知り、地声で音域を上げていったが、ある程度高くなると限界を迎えた。
声は細く、まるで絞り出したような声。
私が出したいのはそんな声ではなかった。
そんなときに出会ったのが、ミックスボイス。
当時はよくわかっていなかった。教える仕事を始めたばかりの頃、知ったのがミックスボイスだった。
興味本位で受けたある先生のレッスン。
最初はわけわからなかったが、確かに今まで出したことがない声が出た。
それは地声でもなく、裏声でもない。
それから、不定期だったが、レッスンを受けて、理論的に勉強し始めて、頭では理解できるようになっていった。しかし、実際、これ歌で使えるの?という疑問があった。
なぜなら、歌になると発声で出せていたミックスボイスが途端に出なくなったからだ。
何でだろう。答えは後にハッキリとわかった。
私は歌うときと、発声のときに出す声を変えていたからだ。いや、正確にいうと、無意識のうちに変わっていた。
発声の時は、割としっかり地声(チェストボイス)を深めに出していた。
しかし、歌うときは、息っぽく優しく地声を出していた。
これをライトチェストと呼ぶ。
つまり、歌うときは、発声と全然違う声で出していたから、高くなると急に裏返り、フリップ(一気に裏声にひっくり返ること)していたのだ。
発声時は、チェストからいきなりヘッドボイスではなく、その中間の声(ミックスボイス)をまたいでいくのだが、歌うときに裏声のような弱々しい地声を出していたからか、耐えきれずに裏声になっていた。
今、私はミックスボイスをやっと歌に使えるようになった。
これは私の中でかなり大きなことだ。
地声を抜いてしまう癖があった私は、歌うときにその癖が出てしまっていた。
高い声は、ボイストレーニングによって、声帯の筋肉が鍛えられ、出せるようになる。
しかし、当時の私は出し方を間違えていたせいで、筋肉を全く使えていなかったのだ。
高い声を出すために必要な筋肉、これが圧倒的に足りなかった。
ミックスボイスを強化することは私にとってチェストボイスも強化することに繋がった。
結果的に、低音も出しやすくなり、今まで弱々しい裏声になっていた高音部が強いミックスボイス、ヘッドボイスへ繋がって出せるようになった。
声の出し方、今まで合っていたと思っていたことが実は邪魔をしていたり、間違えていることもあるのだ。
私は、今まで自信がなかった。
歌を教えるボイストレーナーなのに、高い声に自信がなく、また感覚がわからなかった。
だから、感覚で教えている人に教えてもらってもハッキリ言ってよくわからなかった。
頭を抜ける感じ、鼻に響かせて、、など全て感覚的なことは、腑に落ちず、高い声が出るために必要なことがわからず悶々とする日々。
だけど、だからこそ、理論を勉強した。
声帯の仕組み、音が出る仕組み、口の中の動き、母音や子音など、音響学と呼ばれるものを1から学びなおした。
そして、1からトレーニングを始めた。歌い方も変えた。
そうすると、少しずつわかってきたのだ。
高音を出すためには、発声でしか方法はなく、それはボイストレーニングで出せるようになることだった。
発声理論に基づいたトレーニングエクササイズを時間のある限り、真剣にやってみた。
そうしたら、今までわからなかった声の感覚が感覚的にもわかるようになった。
スポーツ選手が良いプレーをするために、日々トレーニングをするように、歌う人にとってボイストレーニングは必要不可欠だ。
なぜなら、良いプレーをするには、身体が自由に使えることが大事だから。
歌を自由に歌えるには、声を自由に使えるように声帯をトレーニングすることが大事なのだ。
私が今勉強しているのは、ハリウッド式ボイストレーニングだ。SLS(Speech Level Singing)ボイストレーニングを基礎に発声学・音声学など科学的なボーカルメソッドを勉強している。
SLSは話すように歌うというようなコンセプトで、マイケルジャクソンなどのシンガーを教えたセス・リッグス氏が唱えるボイストレーニング法だ。
現在は、そのSLSボイストレーニングを日本に持ってきた第一人者とも言われているボイストレーナーの先生について、レッスンを受けている。
低い声がコンプレックスだった私は、ボイストレーニングにより高い声を手に入れた。
とはいえ、まだまだ開発中であり、まだまだ強化中だ。
私の声はこれからもっと自由につかえるんだと思うと、楽しみでしかたない。
以上が、今回の私のエッセイ的なボイストレーニングのお話でした。
カラオケレッスンでは、カラオケだけ歌だけレッスンするイメージもあると思いますが、私のレッスンでは、カラオケでも本格的なボイストレーニングができるレッスンです。
高い声を出したい人、歌が上手くなりたい人、どんな人もぜひ一度レッスンを受けてみてほしいです。