こんにちは。
カラオケボーカルトレーナーのYUKINOです。
さて今回は、前回の語尾の処理の仕方に引き続き、ヴィブラートについてお伝えしていきたいと思います。
歌のテクニックの中でヴィブラートは、欠かせない存在です。料理で例えるなら、味付けですね。
では、さっそくヴィブラートの種類についてみていきましょう。
ヴィブラートとは?
しゃくりと同様、ヴィブラートもカラオケ採点機能のテクニックで必ず入っている項目です。
ヴィブラートとは、声を揺らす発声です。
ヴィブラートをかけるというのは、声を揺らすことを指します。
このヴィブラートの感覚をわかりやすく説明すると、何かを落としたり失敗したときに、「あ~あ~」と心の中で思ったり、言葉に出したりしませんか?
「あ~あ~、やってしまった・・・」みたいな感じです。
その時の、あ~あ~を、繋げて言ってみてください。
あ~あ~あ~あ~あ~
慣れてきたら、あ~で、伸ばしている部分を短く速くします。
すると、あ~~~~ という感じに、揺れます。
これがヴィブラートの感覚です。
意外と、ゆっくりであれば、ヴィブラートをかけやすいのですが、速くするとヴィブラートにならず、ただまっすぐ伸びてしまう人も多いです。
普通に伸ばすと、まっすぐ伸びる声を、あえて揺らすので、最初は難しく感じると思います。
このヴィブラートをマスターすれば、前回の語尾のテクニックともなり、一気に歌うまシンガーになれます。
では、このヴィブラートですが、いくつか種類があるので、一つ一つ細かく説明していきます。
ヴィブラートの種類
1 ヴィブラートの揺れの間隔が広く、大きい揺れ方(ゆっくり揺れる)
2 ヴィブラートの揺れの間隔が狭く、小さい揺れ方(速く揺れる)
大きく分けると、この2種類のヴィブラートがあります。
1のヴィブラートは、揺れの間隔が広く、大きいので、ヴィブラートが深いです。
しっかりヴィブラートがかかっていることが特徴です。
演歌は特に、深いヴィブラートが必須です。
演歌を聞くと、ほとんどの歌手は、語尾に、大きく深いヴィブラートをかえて歌っています。
このヴィブラートが、曲の哀愁や、世界観を出しているのです。
例えば、50代60代の女性から人気の高い、秋元順子さんは、深くて柔らかい声にヴィブラートが自然にかかっています。
演歌歌謡曲は、この深くて大きいヴィブラートが特徴でもあるのです。これが、もしもヴィブラートがなく、ただまっすぐ伸びて終わる歌だと何だか味気ないつまらない歌に聞こえてしまうのです。
もちろん、この深いヴィブラートは、演歌だけではなく、ポップスでも使われています。前回、例に出したMISIAさんは、ヴィブラートがとても自然で上手いなぁと個人的に思っています。
では、2の揺れの間隔が狭く、小さく速いヴィブラートはどんなヴィブラートなのか?
このヴィブラートは、ちりめんヴィブラートとも呼ばれている細かい揺れが特徴のヴィブラートです。
例に出すと、TMレボリューションの西川さんや、GACTOさんや、宇多田ヒカルさんです。
声の揺れがとても細かく速く揺れているのが特徴です。
ヴィジュアル系のバンドのボーカリストは、このヴィブラートの人が多い印象があります。
1のヴィブラートがゆったり深い揺れに対して、その逆です。
2のヴィブラートは、先ほどの、あ~~というのを速くすれば、速い細かい揺れが作れます。
この細かい揺れは、フェイクでも生かせるので、覚えると良いテクニックだと思います。フェイクとは、R&Bや、洋楽でよく出てくるもので、言葉を音通りに出さずに、わざと高くしたり、音をくねくね上げたり下げたりする音を遊ぶテクニックのことです。
福山雅治さんの桜坂のサビ部分で、
「愛と知っていたのに 春はやってくるのに Woo ~yeah 」
のwoo とyeah の部分です。
歌詞にはない部分をアドリブで歌ったり、ライブの時に通常は音が下がるところを、あえて上げて歌ったりすることもフェイクの一つです。あえて伸ばして揺らしてみたり、自由に歌うのがフェイクなのですが、このフェイクは、細かい揺れができるとやりやすくなります。
どういうことかというと、1のヴィブラートも2のヴィブラートも、声が柔らかい状態でないとできないからです。
声がガチガチに力が入っている状態だと、声は揺れません。
あ・・あ・・という感じに途切れてしまい、つなげることが出来なくなるのです。
なので、フェイクをするときは、声を自由に操るので声が硬い状態では難しいのです。
以上が、ヴィブラートの種類でした。
ちなみに、ヴィブラートが最初からかかっている人もまれにいますが、多くの人が最初からはできないので、練習して自分のものにしていきます。
ヴィブラートの揺れ方で曲の雰囲気などがかなり変わります。
そして、補足ですが、ヴィブラートは、喉ヴィブラートと横隔膜で揺らすヴィブラートがあると言われています。
先ほど、ご紹介した感覚は、喉ヴィブラートですが、しっかり腹式呼吸が出来て、歌うことが出来る人ならば、自然と横隔膜でかけるヴィブラートが出ます。
オペラ歌手は、ほぼこの横隔膜のヴィブラートでしょう。
とても深くて安定した伸びの良い揺れが心地よく聞こえます。
プロを目指している人はもちろん横隔膜ヴィブラートもできるように訓練すべきだと思いますが、カラオケで上手くなりたいという人なら、喉ヴィブラートでも充分良いと思います。
最初は、不自然で、おかしいかもしれませんが、徐々に自分の声に溶け込み、あなたの歌の一部になるでしょう。
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