こんにちは。
カラオケボーカルトレーナーのYUKINOです。
9月ですね。まだまだ暑そうですが、体調には気を付けてくださいね。
さて今回は、これまでのボイストレーナー人生の中で、私が実際に受けたことのあるお悩みを会話形式で書いてみようと思います。
では、スタートです!!
パターン1 自分の名前が言いにくいOさん20代女性
Oさん『先生~! 私、自分の名前がいつもかみそうになるんですよ・・・』
私『それって、名前の最初にオだからかな?』
Oさん『そうです。すごく言いにくいんですよね。』
私『オって発声の時も、口が縦に開くからアよりもこもった感じになるんだよね!』
『しかも、歌もそうだけど、その前後の母音や子音が何かによっても出しやすさが変わるんだよ。』
Oさん『それってどういうことですか?』
私『例えば、暖かいって言葉の歌詞があるじゃん?あたたか までは全部母音がアなんだけど、同じ母音が続くのって結構出しにくいんだよ。』
『ほかにも、子音でハッキリ出てしまうとか、逆に抜けるとか・・・』
Oさん『なるほど~!では、私の名前は母音や子音の並びも関係しているんですね。』
私『でもね、発声トレーニングで、母音の発声をすれば滑舌も滑らかになるし、かんだりすることもなくなると思うよ!』
『そんなOさんにおすすめなのが、あえいおう っていう母音発声メニューがあるんだけど、これは演劇とかアナウンサー志望の人の発声練習にもよく使われるんだ。』
『これを歌に使うなら、歌詞のすべてを母音で歌うという練習も良いよ!
これが結構、頭使うから難しいんだけどね・・・』
Oさん『それ、ぜひやってみたいです!お願いします。』
私『じゃあ、やってみよう!』
このOさんは、いつも、自分の名前をかんでしまう、どもってしまうなどの悩みがあったようで、このように母音の練習をしました。さらに、彼女は裏声で歌う癖もあったので、地声のトレーニングもしました。
声がクリアになり、発音もしやすくなったようです。
パターン2 演歌が歌いたくて迫力のある声にしたいSさん50代女性
Sさん『私は、本当は演歌が歌いたいんだけど、私声が細いじゃない?だからいまいち合わない気がして・・・』
私『そうなんですね。確かに、演歌は深くて響く太い声で歌うと味が出ますし、迫力がありますよね。』
『でも、大丈夫ですよ!トレーニングでSさんの声を太くすることができます。』
Sさん『ほんと? どんな練習をするんですか?』
私『Sさんの声が細いのは原因が何個かありまして、まず、声が少し裏声なのと、吐く息が浅いんですね。吐く息が浅いと口先で軽く歌う感じになるので、結果、吸える息も少ないんですよ。』
『なので、まずは息を吐く練習をしましょう。しかも、太く息を吐く練習です。吐ききるという感覚をつかめるようになれば、吸うのは自然と入ってくるので楽です。ポイントは吐ききることです。』
Sさん『息かぁ~。確かに私、息が浅いかも。声もあまり長く続かないんだよね。深い呼吸ができれば声も長く伸ばせるよね?』
私『そうなんですよ。深い呼吸をマスターすると、声も太くなりますし、なにより声が長く出せるので、演歌ではビブラートなど語尾を伸ばすときにも活きてきます。』
Sさん『ビブラートも出してみたいわ!演歌って感じだよね。』
私『では、ビブラートを出せるようにまずは息を吐く練習から始めましょう。』
という感じで、Sさんは、息を吐く練習をして、太く吐く=その分吸うという練習をしました。そして、声も地声のトレーニングをしていきました。裏声のみでは声が細くて、特に迫力のある曲には不向きだったので、地声を出すトレーニングをしました。
Sさんは、とても努力家の方だったので、少しずつですが、確実に声がパワーアップして無事地声で歌うことに成功。
本人もご希望だったビブラートも練習をしました。演歌には必須ですからね。
地声を練習することで、音域も広がったので、歌える曲も増えたようで喜んでおられました。
このように、自分の声が、歌いたい歌のイメージと違う場合でも、トレーニングをすることで近づけることができるのです。
だから、諦めないでくださいね。
声は磨けますよ。いくらでも。
パターン3 バンドで声量が欲しいMさん30代女性
Mさん『私はバンドを週末やっているんですが、なかなかバンドの音に負けてしまうんですよ。』
私『バンドはボーカルがメインですからね。でも、特にギターとか大きくジャンジャン弾くし、声がかき消されがちですよね。』
『でも、マイクの使い方とか、バンドに負けないパワーボイスを身に着ければ大丈夫ですよ。』
Mさん『声もずっと出し続けていると疲れちゃって、スタジオの練習後には声がガラガラで喉が痛いのも悩みなんです・・・』
私『バンドのボーカルはパワーのある声で歌うので、声帯の疲労も大きいと思いますが、Mさんは結構喉に力を入れて歌っているので、まずは喉の力を抜くことから始めるといいですね。声の出し方も楽にしていきましょう。』
Mさん『そうなんですよ。ついつい力が入ってしまって、喉っぽい声だなというのも気になっていました。』
私『そもそも、声は喉から出ますし、お腹からは出ませんが、喉の外側の力を使いすぎてしまうといわゆる喉声になるんですよ。』
『なので、喉の内側の筋肉をしっかり使えるようにして、外側の力は使わないようにすることが重要です。』
『声も、力が入っていない方がよく響くんですよ。例えるなら、物でぎゅうぎゅうに詰まっている瓶よりも空の瓶の方が叩いたときによく音が響きますよね。』
Mさん『なるほど。確かに私は力入れすぎて、頑張って声を出していても全然響いてない気がします。』
私『声が響くようになると、マイクのエコーに頼らなくても声が綺麗に聞こえますよ。』
『現に、舞台俳優さんの声って生声でもよく響きますよね。』
Mさん『バンドで声量を付けるには、まずは力を抜くことが必要なんですね。』
Mさんは、かなり、喉に力を入れて歌う人でした。そのため、ほとんど息を吐いていないぐらい声100パーセントで歌っているのです。このままでは、喉を痛めるばかりか、声帯ポリープなど喉を故障してしまう可能性もあるので、まずは声を出す前に、力を抜くことから始めたのです。
喉に力が入る人は、必ず上半身にも力が入っています。肩や首、顎など。また、身体がカチカチに固まってしまう人も多いです。
そのような人は、ストレッチから始めます。Mさんも首回りをほぐしたり、肩を上げて落としたり、上半身の脱力をしました。
とはいえ、実際歌うと力が入ることが癖になっているので、その力を抜く作業はかなり時間がかかります。
次に息を吐く練習もしました。息をほとんどつかっていなかったので、息を吐くことと吸うことをトレーニングします。ちなみに、身体に力が入りすぎると、息が全く吐けませんし、吸うことも難しくなります。
つまり、力が入る人の呼吸はとても浅いのです。
よく、イライラしているときって呼吸が浅いと言いますが、深い呼吸を身に着ければメンタルにも良い影響があると言えますよね。
そんな感じで、ブレストレーニングと脱力の発声の練習など、主に力を取るためのメニューでレッスンしました。彼女もまじめで熱心な人だったので、徐々に力が取れていきました。
声量を付けるには、まずは力を抜いてからが肝心です。身体や喉の力が抜ければ、声が響くようになり、頑張らなくても声が響くようになります。
今回はここまでです。今回は女性の生徒さんのお悩みでしたが、次回は男性バージョンも書いていきます。
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