こんにちは。カラオケボーカルトレーナーのYUKINOです。
今回は、声と年齢の関係についてお伝えしていきます。
私がボーカル教室で勤務しているときに、よくこんな声をいただきました。
「もう歳だから声が出ないよ」
「年齢を重ねていてもボイストレーニングって効果あるんですか?」
などなど。
確かに、人は年齢を重ねると、徐々に声帯の筋肉が衰えてきて、足腰と同じように不自由が出てくるようになると思います。
ですが、それは何もしなかった場合の話です!
足の筋肉と同じように、声帯も使って鍛えていれば、いつまでも良い声を保つことができます。
なので、歳だから・・・と諦めないでください。
実際、私は声がガラガラして出にくくなった70代の生徒さんのレッスンを担当して、声はここまで変わるんだと感動して、さらに確信しました。
声はいつからでも鍛えられる! と。
年齢と声の関係
人間は生まれて、おぎゃ~と声を発してから徐々に声がしっかり出るようになります。発音を覚えて言葉を話すようになり、話すことや歌うことで声帯を使います。
子供の頃は皆、声が高いです。
成長するにつれて、その人それぞれ、声帯の長さなどにより、声の高さに違いが出てきます。そして、加齢により、声帯の筋肉が弱くなり、運動機能が衰えると声がガサガサしたり、声が低くなります。
主に、男性の方が女性よりも声帯が短いので声が低いです。
また、男性は中学生ぐらいで声変わりをして大人の男性の声になっていきます。
よく聞く話ですが、
「昔は高い声で歌えていたのに、久々にカラオケで歌ったら全然出なくなっちゃったの!」
なぜでしょうか?
それは、加齢の原因もありますが、歌わなくなった期間が長いと、特に高音域の声が出にくくなるからです。
そのような現象が起きると、キーを下げたり、または無理して歌う人もいるでしょう。
声は喉から出ます。お腹からは出ません。
その声の音をコントロールするのが声帯の役割です。
ギターで言うなら、チューナーを使い、音をチューニングをするような感じです。
楽器も定期的にメンテナンスをすると思います。人間の体も全く同じで、メンテナンスが必要なのです。
身体が疲れて、体調を崩せば病院に行きますよね?
声帯も楽器の一つ。
疲れたり、弱くなったりするのです。
そのため、メンテナンスが必要なのです。
では、メンテナンスってどういうことを?と思った皆さん。
詳しく見ていきましょう。
声を若々しく保つ声のメンテナンスとは?
先ほど、声がガラガラして出にくくなった生徒さんの例を出しましたが、その方
(ここから先は仮にAさんと呼びます) は話し声もガラガラして、歌うよりもとにかく声を何とかしたい!という悩みを抱えていました。
Aさんは、病院で相談すると、薬ではどうすることもできないと言われて、ボイストレーニングしかないと言われて、私のところに来られました。
歌わずに一時間みっちり発声練習を行うレッスンは初めてだったのと、今までそのような深刻な悩みを抱えている人を担当したことがなく、当時の私はすごく考えたのを覚えています。
とにかく、声が出るように、様々な発声メニューを用意しました。そして、実践です。
声を出すことも大事なのですが、まずは呼吸から整えていきました。
そう、息をまずは安定させることです。
Aさんは、息を長く吐き続けることが難しく、かなり苦しそうでした。
最初は、ス~っと息を吐くのも、途切れ途切れでプツっと切れてしまいそうでした。
そのため、まずは10秒息をまっすぐ吐く練習をしました。
人間って不思議ですね。やればやるほど、身体が覚えてきて慣れてきて、安定して吐けるようになったのです。
息をまっすぐ吐けるようになると、声も安定するようになります。
まず、声量が出るようになります。
そして、息を長く吐けるようになると、声をしっかり伸ばすことができるようになります。
息を吐くことを身体で覚えていき、次は吸うことをトレーニングしました。
吸うのはとても難しいです。吐くことから始めたのは、吐ききることをすれば自然と吸えるようになるからです。
ですが、なかなか息を吐ききるというのは容易ではありません。日常生活でそんなに息を吐くことってないですよね。
だからこそ、息を吐くことの練習を最初にするのです。
Aさんは、徐々に腹式呼吸ができるようになりました。
そして、いよいよ本題の声のトレーニングです。
母音を使う音階発声や、ロングトーンの発声、舌を使う発声・・・などここには載せきれないほどのメニューを少しづつ行いました。
どちらかというと、声のリハビリに近いイメージです。
例えば、腕や足を骨折したら、徐々に動くようにリハビリしますよね。
そのような感覚です。
私は、毎回レッスンで、自分の耳を澄まし、Aさんの声を聞き、正確に判断して次々と声を出してもらいながら、声帯を強くしていくのが役割です。
私は医者ではありませんので、医学的なことはわかりませんが、耳だけはかなり良いです。この人の声は今このような状態だなとか、音も瞬時に聞こえるので、間違っていればその都度、お伝えして修正することができます。
まぁ、ボイストレーナーなので当たり前といえば当たり前ですが(笑)
よく、母親に、地獄耳だねと言われていました。
地獄耳って・・・(笑)
そんなリハビリのようなボイストレーニングを続けて、Aさんは月に4回通われていたので、週1回レッスンに来ていました。
声は徐々に出るようになり、ご家族の方や知り合いの方に、声が良くなったね!と言われたそうです。
これは、ボイストレーナーとして冥利に尽きる瞬間でした。
こういう目に見える成果を感じ、さらにうれしいお言葉を頂くと、やっていて良かったなぁと思うのです。
Aさんは、それからも長く通い続けてくださり、歌も歌うようになりました。
Aさんと最初会ったときは、どこか不安気でしたが、明るい表情になり、本当に歌を楽しんでいました。
このように、声のメンテナンスとは、つまり
ボイストレーニングをすること です!
声を出すことで、声帯の筋肉(正確にいうと声帯を動かすための周りの筋肉)を鍛えることにつながります。
例えば、現役を引退したアイドル歌手が、昔は高音域で歌っていたのに、久々に出てきて昔の歌を歌うとキーが下がっているということがあります。
それは、ずっと声を出していなかったことで、高音域が出にくくなったのです。
逆に、ずっと第一線で活躍して、歌い続けている人は、歳を重ねても歌声は変わらず、むしろ昔よりも上手くなっていたりするものです。
これは、プロのスポーツ選手もそうですよね。先日引退されたイチロー選手もその一人だと思います。
なので、年齢により、声が出にくくなることは事実ではありますが、声のメンテナンスをすることで声の若々しさを保つことが可能なのです。
声はいつからでも鍛えられますよ!
年齢を理由に諦めないでください。
Soulfulカラオケ教室では、シニアの方のボーカルレッスンも行っています。
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